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許されざる者 特別版 スペシャル・エディション

許されざる者 特別版 スペシャル・エディション

クリント・イーストウッド

許されざる者 特別版 スペシャル・エディション

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アメリカン・ウエスタンのテレビドラマ、『ローハイド』で初ブレイク。その後渡ったイタリアのマカロニ・ウエスタン『荒野の用心棒』で大スターに。以来映画作家として西部劇と共に歩んできた、クリント・イーストウッド。本作は、そんな彼の歴史が集大成された「世界遺産」的作品だ。
かつて西部中に悪名を馳せたが改心し、老いさらばえた男。だが相棒(モーガン・フリーマン)が無実の罪で殺されたため、捨てたはずの銃を悪徳保安官(ジーン・ハックマン)に向けることになる。
当時白人警官が黒人を暴行した「ロドニー・キング事件」への怒りも反映された、正義をめぐる物語だ。自作自演で長年の企画を実現させ、作品賞、監督賞、編集賞、助演男優賞のオスカー4部門を獲得した。役者として、また演出面でも多大な影響を受けた映画監督、ドン・シーゲルとセルジオ・レオーネ、師匠2人に献辞を捧げているのが感動的だ。(轟夕起夫)


西部劇でこれは反則
西部劇は楽しく、明るくなくてはいけない。

死と隣り合わせで、切なくなることもあるが、死も受け入れることがガンマンの使命。それを悲しく見せず、命をかけた賭け事と考えるのが西部劇のはずだ。

しかし、この映画は西部劇でもの悲しい、暗い、死の恐怖をイメージさせる。

これでは今まで西部劇が作り上げてきたものを否定している。

タッチが違うため話題性はふりまけるかもしれないが、次に西部劇を作る人たちは、どうすればよいのかわからないだろう。

新しい「西部劇」
いわゆる「西部劇」なのですが、従来のようにガン・アクションを楽しむ映画ではありません。
ストーリーは、静かな音楽と共にゆるやかに進んでいきます。
残虐非道だった過去の「自分」に怯える主人公。妻との出会いで改心しましたが、それが非常に「危ういもの」であることを自覚しています。
そのため、小さな子供達のために再び「殺し」を決意するものの、昔の自分に戻ってしまうこと、昔の自分を他人に知られてしまうことを恐れ、苦悩します。痛ましいまでのその様子が、胸を打ちました。
そんな主人公が、賞金首を追ってやってきた街。人として扱われない娼婦達や「己の正義を貫く」保安官。彼らとの出会いが後に、ある「決定的な事件」へと繋がります。
そしてラストの展開。衝撃的なそのラストは、身震いさえしました。
人々の持つ「善」と「悪」。映画の中で「『殺し』は悪だ」ということを前面に出して伝えていますが、それに「善」とも言える他の要素を加えることで、登場人物達のキャラクターが、単純に「善だ、悪だ」と見ている人が判断できないものとなっています。そして、そんな「許されざる者」達の織りなす複雑なドラマが、実に見事に描かれています。
最後、静かに終わるエンディングを見ながら、色々と考えさせられました。本当に素晴らしい映画です。イーストウッドファンならずとも、ぜひ見て欲しい映画ですね。
あと最後に、特典映像の詳細など。(番号は『レビュー』に書かれた特典映像の番号と合わせています)
1:「許されざる者」についてのイーストウッド、モーガン・フリーマン、ジーン・ハックマンのインタビュー映像です。
2:「許されざる者」の撮影風景などのメイキング映像です。
3:イーストウッドの過去の出演作品とともに、彼の映画へ思いが語られた映像です。
4:イーストウッドの歴史が詳細に語られています。ちなみにナレーションはジョン・キューザック。
5:若き日のイーストウッドの出演映画です。白黒映像。

誰も無垢でいられないのなら
イーストウッドが西部劇に戻ってきた、そう思って観ると、かつての出演作とは全くちがった作風に驚くことだろう。人間の死、罪悪、業、そして良心の難しさ、といった、ウェスタン映画が常に画面に溢れさせながらも、直視することのなかった要素が、突き詰めて表現されている。往年のウェスタンの爽快感はないが、逆に言えば、現代のウェスタンというジャンルにこれほど深いものを描く力があったということに喜ぶべきかもしれない。演出も演技も脚本も完璧の映画だ。地味かもしれないが、文句のつけどころがない名作。


クリトリス

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